◎ Comment / ご覧頂いた方々の声

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2011' 9 更新

 

岡村恵子 (東京都写真美術館学芸員/恵比寿映像祭ディレクター)

画面上でざわめくのは孤独な創作の日々の層。それでいて、突き抜けたすがすがし さの残るエンディング。繊細かつ端正な描線と、時に暴走する野性とが繰り返しせめ ぎ合う黒坂ワールドの真骨頂。

 

古屋兎丸 (漫画家)


『緑子/MIDORI-KO』は途中まで感動的なラストを予想して観ていたんです。 だからあのエンディングには笑っちゃいました。自分の想像の斜め上を行って いるなと。こう終わらせるか、アナーキーだなぁと。あっけにとられる感じが 素晴らしいと思いました。

 

石田尚志 (美術家/映像作家)


北斎もダ・ヴィンチもレンブラントも。今、この時代を生きていたら必ず映像を作ることだろう。 だがしかし、黒坂のような画力で絵画そのものを動かすことが出来るだろうか。 それもベートーヴェンやバルトークが笑むようなテンションで!!!


山村浩二 (アニメーション作家)


見る人を選ぶ映画だと思うが、作家本人が最大級の創作の喜びを感じて制作していることで、 強度と純度が高い。とてつもないデッサン力で描き出すグロとねじれたPOPさが炸裂する。 メガトン級の排出物だ!

 

 

プリミ恥部  

この映画は『結局われわれはなにもあくせくする必要はなく、 植物人間を食べる生活をはじめればよいのだ』といっている。 分かち合うひつようなどない。一人占めしよう。植物人間を食べよう。 それが宇宙といったいになる一つの方法であることは確かだ。

 

七里 圭 (映画監督)

とにかく、異様でした。圧倒的なほどに あまりの異様さに、脳髄がしばらく痺れたままでした…。

 

 

 

2011'06 更新

 

水江未来 (アニメーション作家)


「グロテスク」「純真」「ユーモア」「欲望」これらが混ざり合い、化学反応が起こり、細胞分裂を繰り返し、ガキゴギ! ベチャグチャ! と音を立て、そして「緑子/MIDORI-KO」は生まれた!
さあ、世界が驚いたクロサカ・アニメーションを体感せよ!



木村俊幸 (VFX監督・マットアーティスト)

 

300年待っても緑子の代わりになるアニメーションは絶対に産まれない!!
もし 産まれたとするなら.....その世界の住人は マンテーニャの星の下だ。 



丹下紘希 (映像ディレクター/アートディレクター)

 

多くの人は自分の中に潜む“怪物”を、まるで無かった事のようにして、ただひたすら眺めて毎日をやり過ごしているんだと思います。
僕はこの映画を観てこんな風に自分の中の怪物達と折り合いをつければいいんだ、とホッとしました。
黒坂さん、ありがとうございました。
           


伊藤有壱 (アニメーションディレクター)

 

「黒坂圭太の頭の中はどうなっているのだ???」
20数年前『海の唄』の初見で叫びたい衝動に駆られたのを強く覚えている。
最新作「緑子/MIDORI-KO」はストーリー性を増したかのような錯覚を与えつつより強力に縦横無尽に脳細胞の隅々まで黒坂菌が浸食していく構造で55分という時間を使い観る者をやさしい地獄に引きこむ。
そこが不思議と居心地が良いのだ。ペイルアンバー+白黒の世界に口元の赤が妙に妖艶だったり、ボッシュや青木繁、暁斎を思わせる瞬間もあるがすべては蕩けてまた別のイメージへと変容し続ける。
湧き出る粘質イメージのうねりに身を委ねられるか否かで大きく評価が分かれるだろうこの作品の魅力は超人的オペラ歌手の咆哮に似ている。そして、後日見せて頂いた
『海の唄』のアニメーションタイムシートが交響曲の楽譜そっくりだったのは偶然とは言いがたい。
この21世紀の画狂の最新作、体験すべし。



寺井弘典 (クリエイティブ・ディレクター)

 

この映画は中途半端な心持ちでは観られません。人面植物、魚頭、目玉男......。
黒坂圭太さんの怒濤の妄想脳内世界には限界が無い。種の違いもよく分からない生き物同士が食い合い、欺き合い、油断したら食われちゃう、夢の食物の誕生まで魑魅朦朧が跋扈し排泄物と吐瀉物がグチョグチョに混ざり合う現場に慄然と立ち会うしか無いのです。
たぎるような妄想が一挙に現視化された時、背筋を稲妻が駆け抜けるが如きあの感触を伝えたいと黒坂さんは語っています。その強烈な妄想が映像化する瞬間の電撃マッサージ効果、社会の道徳的規範から解放される瞬間というか、その瞬間の解放感、救済感を是非!! 黒坂さんと語り合いたいと思います。